クラウドDXサービスLPの作り方① | ターゲット分析と課題整理から始めるLP戦略設計
クラウドDXサービスやペーパーレス化を推進するソリューションにおいて、Webからの集客を強化するためにランディングページ(LP)を活用する企業が増えています。
しかし、単にサービスの機能やスペックを並べるだけのページでは、訪問したユーザーの関心を惹きつけ、成果(コンバージョン)へ繋げることは困難です。
成果の出るLPを制作するためには、制作前の準備段階において
- 誰に
- どのような課題に対して
- 何を届けるのか
というターゲット分析と課題の整理を徹底的に行うことが不可欠となります。
本記事では、経理DXやペーパーレス化サービスにおいて、成果を最大化させるためのLP戦略設計の基礎とターゲット分析の手法について詳しく解説します。
なぜクラウドDXサービスのLP制作でターゲット分析が重要なのか
DX関連サービスの市場は急速に拡大しており、類似した機能や価値を訴求するサービスが数多く存在しています。
このような市場環境において、ターゲット像があいまいなままLPを制作してしまうと、競合サービスとの違いが伝わらず、ユーザーにとって、自社に必要なサービスなのかどうかが判断できなくなってしまいます。
特にクラウドDXサービスは、導入によって業務プロセスそのものが変化するため、検討層は慎重に情報を収集します。
そのため、LPで狙うべきターゲット層がどのような状況に置かれ、日常の業務でどのような課題や不安を抱えているのかを深く理解し、その解像度を高めた上でLPのメッセージを構築していく必要があります。
ペーパーレス・経理DXにおけるターゲット層の分類と分析
経理業務の効率化やペーパーレス化を目指すクラウドDXサービスにおいては、企業規模や役割によって検討の背景や抱える課題が大きく異なります。
LPの訴求力を極限まで高めるためには、ターゲットを単一の集団として捉えるのではなく、属性やニーズに応じた複数のターゲット層に分類してアプローチ設計を行うことが効果的です。
具体的には、LPのターゲットとして主に、中堅・中小企業の経営者・部門長と大手企業のDX推進部署という2つの層を設定し、それぞれの状況や課題を整理していきます。
メインターゲット:中堅・中小企業の経営者・部門長
中堅・中小企業における経営者や経理部門の責任者は、現場の業務効率化とコスト削減に直結する成果を強く求めています。
置かれている状況と検討の背景
リモートワークや人件費・コスト削減への関心をきっかけに、従来の紙ベースの経理業務を見直し、業務の効率化やペーパーレス化の検討を始めるケースが多く見られます。
また、過去に一度DXサービスについて比較検討を行ったものの、市場にあるどのサービスも魅力的に見える一方で機能が似通っており、自社に最適な選択肢が分からず検討が中断しているという状況も少なくありません。
抱えている具体的な課題とニーズ
- 業務の煩雑化と手間の削減
- 請求書や各種伝票の処理に膨大な時間がかかっており、本来注力すべきコア業務を圧迫している。
- 費用対効果とリソースの明確化
- サービス導入によってどれだけの時間やコストが削減できるのか、また自社の担当者に求められるITリサーチやリ社内スキル(リテラシー)がどの程度なのかを明確にしたい。
- 社内コンフリクトへの懸念
- 新しいシステムや運用ルールを導入することにより、現場スタッフからの反発や利害の対立、日常業務の混乱が生じるのではないかという不安を抱いている。
サブターゲット:大手企業のDX推進部署・責任者
大手企業においては、個別の業務改善にとどまらず、全社的な経営課題としてDXの推進が掲げられているケースが一般的です。
置かれている状況と検討の背景
全社的なデジタル化やコスト削減、リモートワーク・柔軟な働き方の実現といった明確なミッションを負っています。
紙の資料をベースにした従来の運用が阻害要因となり、テレワークが十分に実現できていないといった課題を解決するため、具体的なサービス導入の比較検討を進めている段階です。
抱えている具体的な課題とニーズ
- 請求書・納品書をはじめとする紙書類のデータ化
- 請求書のデータ管理による業務改善だけでなく、紙で届く納品書などの関連書類についてもデータ化し、自社システムへの手入力作業を減らしたいと考えている。
- 確実なペーパーレス化と業務フローの最適化
- 一部の作業だけでなく、受取から処理に至る一連のフロー全体をデジタル化し、ペーパーレス環境を強固なものにしたい。
- 明確な導入スケジュール
- 今期中や年内といった限られた期間内での導入を具体的に検討しており、迅速かつ確実に移行できるソリューションを求めている。
ターゲットに共通する本質的なニーズの抽出
ターゲット層を複数に分類して分析を行った後、それらの層に共通して存在する本質的なニーズを抽出します。
異なる立場であっても、根底にある悩みの本質を捉えることで、LP全体を貫く強い軸(メインメッセージ)を定義することができます。
経理やペーパーレス関連のDXサービスにおける共通ニーズは、主に以下の点に集約されます。
- 経理・財務部門におけるDX推進
- 単なるシステムの置き換えではなく、業務改善、経費削減、ペーパーレス、リモートワークの実現という具体的な状態を達成すること。
- 導入におけるハードル・障壁の除去
- 導入時の初期負担、運用の複雑さ、取引先や社内関係者への負担といった各種ハードルをクリアし、安全かつスムーズに運用を定着させること。
これらの共通ニーズをしっかりと押さえることが、ユーザーの共感を生み、ページを読み進めてもらうための強力なフックとなります。
ターゲット分析をLP構造へ落とし込むステップ
特定したターゲットと課題の整理ができたら、それらを実際のLPの全体設計へ反映させていきます。
ターゲットの思考プロセスに合わせた構成を組むことで、読み手にストレスを与えず、自然な流れで問い合わせや資料請求といったコンバージョンへ誘導することが可能になります。
ステップ1:お悩み共感コンテンツの配置
ファーストビューの直下など、ページの序盤において「こんなお悩みはありませんか?」といったターゲットの課題を具体的に提示します。
- 紙の請求書処理に追われている
- 納品書の手入力作業が終わらない
- どのDXサービスを選べばいいか分からない
といった実際の悩みを言語化して掲載することで、訪問者に「これは自社のためのページだ」と当事者意識を持たせます。
ステップ2:課題解決への一括提示(ソリューション提案)
共感を得た直後のセクションで、自社サービスがそれらの課題をどのように解決するのかを明確に提示します。
複雑な機能を細かく説明する前に、このサービスによってすべての課題がどのようにクリアされるのか、という全体像(オールインワンでの解決策)を示すことが重要です。
ステップ3:ターゲット別の不安や疑問を払拭する情報の配置
中堅・中小企業の経営者が特に気にする
- 費用対効果
- 担当者のリテラシー
- 導入時のサポート体制
そして、大手企業が特に気にする
- 納品書等の対応範囲
- 既存システムとの連携
- データ処理の精度
など、ターゲット分析で浮き彫りになった懸念点に対して、先回りして根拠のある情報を提示していきます。
まとめ
クラウドDXサービスのLP制作において、ターゲット分析と課題整理はすべてのデザイン・文章・構成の土台となる最重要プロセスです。
自社のターゲットがどのような状況にあり、何に困っていて、何を解消したいのかを極限まで具体化することによって初めて、訪問者の心に響く強い言葉と構成が生まれます。
次回は、今回整理したターゲット課題を踏まえ、競合他社とどのように差別化を図り、自社ならではの強みをLP上で表現していくかという市場・競合分析とポジショニング戦略について解説します。
次の記事 > クラウドDXサービスLPの作り方② | 競合サービスとの差別化ポイントを見出す市場分析手法
連載『クラウドDXサービスLPの作り方』の目次
- 第1回:ターゲット分析と課題整理から始めるLP戦略設計
- 第2回:競合サービスとの差別化ポイントを見出す市場分析手法
- 第3回:信頼と納得感を生む効果的なコンテンツ構成と訴求設計
- 第4回:導入ハードルを下げ成果につなげるファーストビューと導線設計
- 第5回:成果を最大化させる成果改善・運用支援ノウハウの示し方