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税理士事務所LPの作り方① | なぜ一般的なWebサイトでは問い合わせが来ないのか?勝ち筋となる戦略設計

税理士事務所を開業している方や、Web集客の改善を図りたいと考えている経営者の中には、Webサイトを立ち上げたものの問い合わせにつながらないと悩んでいるケースが少なくありません。

デザインをきれいに整え、提供サービスや料金表、事務所概要を細かく掲載しているにもかかわらず、なぜ成果が出ないのでしょうか。

その大きな要因は、サイトの構造と訪問者の心理にギャップが存在するためです。

一般的なコーポレートサイトやホームページは、多目的な情報を整理して網羅的に見せる構造になっています。

一方で、ネット検索を通じて税理士を探しているユーザーは、特定の課題や緊急の悩みを抱えており、素早く解決策を得たいと考えています。

このような課題を解決し、Web集客を成功に導くための手法がランディングページ(LP)の活用です。

本コラムでは全5回にわたり、成果の出る税理士事務所のLP制作ノウハウを解説していきます。

第1回となる今回は、なぜ一般的なWebサイトでは不十分なのかという理由と、LP制作の土台となる戦略設計について詳しく掘り下げます。

目次

一般的なホームページで問い合わせが来ない理由

多くの税理士事務所が制作する標準的なWebサイトは、トップページを軸に複数のページへリンクが貼られた回遊型の構造をしています。

ここには、税務顧問、決算申告、各種税務相談、経営支援など、幅広い業務内容が掲載されています。

情報が網羅されていること自体は決して悪いことではありません。

しかし、特定の悩みを抱えて検索してきた訪問者にとっては、以下のようなデメリットが生じます。

  • どこを見れば自分の悩みが解決するのか直感的にわからない
  • ページを何回もクリックして探さなければならず離脱しやすい
  • 事務所の強みや特徴が分散してしまい印象に残らない
  • 最終的に問い合わせをする明確な理由が見つからない

検索ユーザーの多くは、じっくりとサイト内を回遊して情報を読み込むわけではありません。

ファーストビュー(ページを開いた瞬間に見える範囲)を見て、自分に関係がないと感じたら数秒でページを閉じてしまいます。

問い合わせという行動を起こしてもらうには、訪問者の視線を迷わせず、必要な情報を適切な順番で伝え、行動を後押しする一本道の導線が必要です。

それを実現するのがLPです。

LPが税理士集客で強みを発揮する理由

LPとは、1つのページ内でターゲットの課題提示から解決策の提案、信頼感の醸成、そして問い合わせへの誘導までを完結させる縦長構造のWebページです。

税理士事務所の集客においてLPが非常に高い効果を発揮する理由は、主に3つあります。

1. 悩みに特化したピンポイントの訴求ができる

税理士を探すユーザーの動機は様々です。

日々の記帳や決算業務を頼みたいケースもあれば、将来に向けた資金繰りや事業の引き継ぎ、あるいは突然発生した専門的な税務手続きで困っているケースもあります。

LPでは「誰のどんな悩みを解決するページなのか」を1つに絞り込んで構成します。

対象を絞り込むことで、ページを訪れたユーザーに対して「これは自分のためのサービスだ」と強力にアピールすることができます。

2. 離脱を防ぎ、問い合わせに集中させることができる

一般的なWebサイトには他ページへのリンクやメニューが多数配置されていますが、LPでは原則として外部へのリンクを遮断します。

上から下へスクロールしながら順番に文章や図解を読んでもらう構成にすることで、途中で別のページへ移動して脱落するのを防ぎます。

結果として、最後までメッセージを読んでもらえる確率が高まり、問い合わせや相談のハードルを下げることができます。

3. 専門性と信頼感を一画面で証明できる

税理士という業務の性質上、依頼側が最も重視するのは「信頼できるかどうか」です。

資格を持っていることは前提として、実績や対応スタンス、どのような考え方で経営者や依頼人に寄り添ってくれるのかという人間性や姿勢が選定の基準になります。

LPでは、特徴や実績、対応の流れ、相談時の姿勢などを一直線のストーリーとして見せることができるため、短時間で強い信頼感を獲得することが可能です。

成果を左右する3C分析による戦略設計

効果的なLPを制作するためには、デザインや文章作成に入る前の戦略設計が不可欠です。

どれだけ美しいデザインのページを作っても、ターゲットのニーズや市場の状況とずれていれば問い合わせは獲得できません。

戦略設計の基本的なフレームワークとして活用されるのが3C分析です。

3C分析とは、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの視点から現状を整理し、勝ち筋を見つける手法です。

3C分析の構成要素

  • Customer(顧客・市場): 顧客の悩み、ペルソナ、探すきっかけ
  • Competitor(競合): 他事務所の特徴、料金、訴求内容
  • Company(自社): 自事務所の強み、対応姿勢、独自のサービス内容

この3つの要素を深く分析することで、自事務所がどの位置付け・ポジショニングでLPを展開すべきかが明確になります。

それぞれの分析ポイントを見ていきましょう。

1. 顧客分析(Customer):ターゲットの状況と本音を知る

顧客分析では、ターゲットとなる人物が、どんな状況に置かれ、どのような感情を抱いているのかを具体的に書き出していきます。

例えば、法人や事業者向けの支援を想定する場合、対象となる経営者は日々の業務や営業、現場の対応、さらには資金繰りまで一人で何役もこなしているケースが少なくありません。

真面目に経営と向き合っているものの、忙しさに追われ、会社の現状を客観的に把握する余裕がなくなっていることもあります。

このようなターゲット層が抱える課題や本音(インサイト)には、以下のようなものが挙げられます。

  • 売上や利益の伸ばし方、判断基準について客観的なプロの意見が欲しい
  • 資金繰りや将来の数字に対する不安を解消し、見通しを立てたい
  • 数字のチェックだけでなく、経営者の悩みに親身になって耳を傾けてほしい
  • 周囲に本音で経営の話ができる相手がおらず、相談相手を探している

一方、個人の手続きや突発的な税務対応を求めているユーザーの場合は、

  • 何から手をつければいいかわからない
  • 手続きの期限が迫っていて焦っている
  • 専門家への相談費用がいくらかかるか不安

といった切迫した感情や悩みを抱えていることが多くあります。

ネットで検索を始めるきっかけや、どんな言葉で検索窓に入力しているのかまで踏み込んで顧客像を理解することが、刺さるメッセージ作りの第一歩となります。

2. 競合分析(Competitor):市場の共通点と競争要因を把握する

次に、同じ地域や同じ領域で集客を行っている競合事務所のWebサイトやLPを調査します。

競合がどのような打ち出しを行っているかを知ることで、自社が狙うべき市場のポジションが見えてきます。

一般的な税理士業界のWeb集客において、競合他社がよく訴求している要素(市場の競争要因)は大きく4つに分類されます。

競争要因競合が訴求している主な内容の例
① 料金・プラン月額顧問料、決算申告料、各種代行費用、明瞭な料金プラン
② サービスの質・対応力資金繰り支援、クラウド会計導入、他業種専門家との連携、幅広な相談対応
③ 信頼性・実績創業年数、関与先数、各種対応実績、利用者の声
④ サポート・利用しやすさオンライン面談対応、迅速な連絡手段、無料相談、お役立ち資料の提供

競合の多くは、こうした要素を網羅しながら安心感や安さ、手軽さをアピールしています。

自社のLPを作る際、他社と同じような表面的な言葉だけでアピールしてしまうと、単なる価格競争に巻き込まれてしまうリスクがあります。

競合の強みと弱みを冷静に見極めることが重要です。

3. 自社分析(Company):自事務所ならではの強みを再発見する

顧客のニーズと競合の動向を把握した上で、自事務所の強みを整理します。

自事務所の強みとは、必ずしも「業界で最も規模が大きい」といった特別な実績だけを指すわけではありません。

日頃の業務の中で大切にしているスタンスや、顧客から喜ばれている対応の中にこそ、強力な差別化の種が存在します。

  • 単なる税金計算や書面作成にとどまらず、将来に向けた数字の読み方を丁寧に伝えているか
  • 経営者や依頼人の感情・背景に寄り添った対応を徹底しているか
  • 法律や数字の専門知識だけでなく、相手が安心できる相談環境を整えているか
  • 複雑な問題に対して、外部の専門家と連携しながら一窓口で解決できる体制があるか

「うちの事務所には目立った強みがない」と感じている場合でも、顧客分析と照らし合わせることで価値が見えてきます。

顧客が求めていることに対して、自事務所が提供できる独自の価値(USP:Unique Selling Proposition)を定義することが、戦略設計のゴールです。

成果を出すLP制作の全体ステップ

3C分析によって、ターゲット、競合との違い、自社の強みが明確になったら、実際のLP制作へと進みます。

成果を出すための全体像は以下のステップで構成されます。

  1. 戦略設計(3C分析・ターゲット設定):誰にどんな価値を届けるかを定義する
  2. ペルソナ分析:ターゲットの悩み、状況、心理的ハードルを深掘りする
  3. 強みと差別化軸の言語化:選ばれる理由を明確な言葉にする
  4. ストーリーと構成案の作成:離脱を防ぎ行動を促す順序でコンテンツを配置する
  5. デザイン・文章表現の最適化:信頼感を与え、心理的ハードルを下げる表記に仕上げる

5回連載の本コラムでは、これらのステップを一つひとつ解説していきます。

次の第2回では、ターゲットの深い悩みや本音を捉えるペルソナ分析の手法について、具体的な視点を交えながら詳しくお伝えします。

次の記事 > 税理士事務所LPの作り方② | ターゲット顧客の本当の悩みを深く掘り起こす、ペルソナ分析手法

連載『税理士事務所LPの作り方』の目次

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